土壌汚染対策の必要性

土壌汚染調査・対策をしないリスク

  • 汚染による資産価値の低下
  • 土地の利用制限
  • 企業の信頼低下
  • 対策費用の拡大
  • 環境への悪影響
  • 従業員及び住民の健康被害
土壌汚染調査・対策のメリット

汚染土地の利用は『土壌汚染対策法』に基づき規制されており、汚染を知りつつ対策を怠った場合には法的罰則、企業の信頼低下などの大きなリスクを引き起こします。
時の経過にしたがい、汚染範囲の拡大と、それにともなった浄化費用増加の危険性が増すため、早急な対策が必要です。また、会計基準の変更に伴い、今後は土壌汚染対策費用の資産除去債務としての引当などが必要となります。

土壌汚染調査・対策のメリット

  • 土地資産価値の回復
  • 不動産取引の円滑化
  • 企業の信頼向上
  • 土地汚染リスクの定量化
  • 環境保全
土壌汚染調査・対策をしないリスク

土壌汚染調査・対策を行うことにより、環境保全につながるだけでなく、土地資産価値の回復、リスクの定量化による不動産取引の円滑化といったメリットが生まれます。また、企業の社会的信頼の向上にもつながります。

ステークホルダーを取り巻く状況

購入者
(土地の買い手)

①住居用土地(住宅、マンション用地など)

  • 開発段階で汚染が発覚するケースが増加している。
  • 土地購入に際して 汚染調査を実施することが一般化している。
  • 購入の可否、購入価格の判断に客観的な汚染評価が有用。

②事業用土地(商業施設、工場用地など)

  • 土地改変(工場→ショッピングセンター等)を予定している場合、条例等に対応する必要があり、住居用土地同様の細やかな対応が必要。
  • 土地改変を伴わない場合は、要求される対応は比較的簡易だが、最終的な所有者の汚染責任リスク低減のため汚染状況についての客観的評価を求めることが多い。
所有者
(土地の売り手)

継続保有が前提の場合は、自主的な調査、対策、管理で対応。

  • リスクが顕在化した場合、汚染土地を所有していることによる財務上、経営戦略上、企業イメージ上の多大なダメージが生じる。
  • 企業イメージ、IRの観点から、積極的に対処、情報開示するケースも見られる。
  • 売却する場合に売主責任としてリスクを把握するための客観的な汚染評価、対策を実施するケースが増加している。
  • 2010年度から適用される会計基準の変更に伴い、将来的に土地を売却する際の土壌汚染対策に関わる費用等を資産除去債務として引当てる必要がある。
周辺住民
  • 土壌汚染対策法施行や、自然環境への世論の高まりを受け、土壌汚染に対しての感度が上がっている。
  • 汚染の可能性が高い土地の所有者に対して、汚染調査の状況、調査の客観性、管理状況などの情報開示を要求するケースも見られる。
行政
  • 土壌汚染対策法施行
  • 自治体条例・指導要綱強化
  • 不動産鑑定評価への織込み
  • 会社更正、民事再生等の資産評価への織込み検討
  • 一定の基準を超える規模の工場閉鎖や土地改変の際の、指定調査機関による汚染調査の義務化。
  • 調査の結果、汚染状態が基準に適合しない場合には当該情報を開示し、土地使用制限や強制力のある処置命令を発動
  • 汚染による健康被害の懸念が強い場合、土地改変の有無等に関わらず、調査・浄化命令を発動することも
金融機関
  • 正確な担保価格(現実の回収可能額)を把握するために、土壌汚染による減価リスクを与信管理上織り込むケースが増加
  • 特に業績不振企業に対しては、潜在的な経営リスクが致命傷となりかねない
  • 環境に対する意識の高まりを受け、企業に対する提案力強化を目的として、土壌汚染対策への取り組みを始める例も見られる
    (減損会計、環境会計、企業の経営戦略アドバイスなど)